 「氷業学」 今関靖將 著より抜粋 | 水は0度で凍らない!!
小学校の時、「水は0度Cで凍る」と理科の時間に習ったはずです。しかし、全く不純物の入っていない水を、振動を与えずに温度を下げると、 −15度Cくらいまで水の状態でいます。その点、氷は普通0度Cで水になりますが、水は、0度Cになっても必ず凍るとは限らないのです。0度C以下の水を「過冷却水」と言いますが、過冷却水は少しでも揺らしたり、微量の不純物が入ると、即座に凍ってしまいます。
例えば、水を直径1ミクロンくらいの粒にしたときは、−40度Cくらいまで液体のままだそうです。空に浮かんでいる雲でさえ−20度Cくらいまでは、液体でいるものが多いのです。
| 魚は氷の中でも生きていられる?
冬になると自然の水は氷になりますよね。ということは、そこにいる魚たちはどこかに逃げまわっているのでしょうか?実は、魚は氷の中に閉じ込められて、氷づけになっても、氷が解けるとまたもとのように元気に泳ぎだすことが出来るのです。もちろんこれは自然の状態での話で、冷凍庫で凍らせてしまったのでは死んでしまいます。なぜ、こうした冷凍に近い状態でも、凍死せずに生きていられるかというと、魚には体温と外の温度との差をうまく調節する機能があるからだと言われています。つまり魚にとっては一種の冬眠状態と言う訳で、体までが凍りついてしまう訳ではないのです。
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